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2013年2月12日 (火)

物理と節約とエコロジー

節約というのは、如何に効率的に金銭を使うということである。そのために安売りのスーパーマーケットを渡り歩くのも節約かもしれないが、ここではそのようなことではなくて、もう少し本質的な、人間の活動と節約に関して考える。


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人間の活動にはエネルギーが不可欠である。人間に必要なエネルギーは食物から取ったり、外気温からも取り入れている。人間が摂取するエネルギーは決まっているのでそれを節約することはできない。だとすると、人間が使うエネルギーをどのようにして自然から取り入れるかというところに節約の余地がある。すなわちなるべく効率的にエネルギーを利用する方法を考えなければならない。そのためには物理が必要であり、その物理を利用した工学技術が必要になってくる。このエネルギーの利用には必ずエネルギー保存則がかかわってくる。さらに、このエネルギーの効率的な利用が環境問題の改善にもつながるはずである。

 

物理学という学問はエネルギー保存則を基本にしている。

すなわち、以前にも言ったように、物理学の本質は全宇宙のエネルギーは未来永劫変化しないという、ある意味での仮説に立脚している。

しかし全宇宙という考え方はあまりに大きいので、身の回りの生活環境を含む小さな宇宙で考えてもかまわない。

また物理学者は、実験室あるいは実験装置を一つの孤立した小宇宙と考えて、その中でエネルギーが保存しているとして、物理学の理論体系を実証し、また組み上げている。

実際にはあまりあらわには考えないが、環境と今考えている対象とのエネルギーのやり取りは、全宇宙を含む環境と考えている対象との間のエネルギーのやり取りになっているが、その時の環境のエネルギー量の算出には、その対象の周りの環境がそれより外の全宇宙からは孤立していると考えても近似的には構わない。あるいはそのような近似が成り立つように環境を考える。

 

例えば、鍋に入った水を電気コンロで沸かすような場合、鍋、すなわち調理器具とそれ以外の環境、すなわち外から運ばれてくる電力と鍋の周りの空気、とを分けて、環境から鍋に入ってくるエネルギーと鍋から環境に放出されるエネルギーのバランスを考えることで、鍋の温度とそれに必要なエネルギーが計算できるのである。このとき、鍋の周りの放出されるエネルギーは最終的には全宇宙に放出されているが、近似的には台所回りの温度(すなわち台所回りの壁の温度や空気の温度)と供給される電力を環境として設定すればいいことになる。

 

エネルギー保存の考え方では、鍋の中の水が温められれば、その分、鍋から外の空気にエネルギーは放出されて、その放出されたエネルギーは電力として供給されなければならない。それだけ水を沸かすためのエネルギーを損していることになる。

鍋の中の水を沸かすのに、なるべくエネルギーの損失のない、すなわち台所回りの環境にはエネルギーを放出しないように保温効果のある鍋の中の水を沸かせば、最も効率的な電力エネルギーの消費になり、その分、電気代の節約にもなる。鍋から環境にエネルギーが放出されないように鍋を設計し、またコンロから鍋の外に漏れるエネルギーがほとんどない状況を作ることができれば、最も効率的であり、この状況では、電力供給の系と鍋と水だけで、孤立した小宇宙を作ることができる。

 

また、このエネルギー保存則をうまく利用して効率的なエネルギーの利用をしているのがヒートポンプを利用した、冷蔵庫やエアコンなどの機器である。

 

外に漏れるエネルギーを小さくできれば節約につながるのは物理を知らなくても経験で分かっていることなので、ここでことさら物理を知らないと節約できないなどと言うつもりはない。しかし、物理を使うと、一見不経済に見えることが意外に経済的だったり、節約のつもりで不経済なことをしていることが見えてくる。

 

すなわち、エネルギーを如何に無駄なく効率的に使うかということが節約になり、しかもエコにもなる。このことにエネルギー保存則が大きな役割を果たしていて、この法則を使うことで、見えないものを見えるようにするのが物理学でもある。

 

エネルギー保存則はあたりまえなことで、ことさら物理と言わなくても、エネルギーのやり取りを効率的にすることは経験で分かっているので、そのようなことは考える必要がないというかもしれない。しかし、実際にはどれだけ節約になるのかは、実際に計算してみなければわからないので、その計算に物理学が威力を発揮するわけである。その節約になる量によっては、かえって節約にならないことがあるかもしれないということも実は考えられるのである。

 

これはちょっと大きい系だが、電力の送電線に電気抵抗がゼロになる超伝導を使えば、送電中の抵抗によるエネルギーロスがなくなり、経済的という発想がある。室温で超伝導が起きる材料を使えれば、この発想は非常に良いが、今のところは、超伝導送電線を使う場合、送電線をかなり低い温度に保つ必要がある。そのためにはエネルギーが必要であり、それに必要なエネルギーよりも、通常の送電線で失うエネルギーのほうが大きい場合のみ、経済的になり、エネルギーのやり取りの細かい計算が必要になってきて、どちらが得かは直ぐには分からない。

 

すなわち、一つの方法で節約できると思っても、その節約に他のエネルギーを使う必要も出てくるのでそう簡単にはゆかない。

 

再生利用エネルギーに関しても、例えば太陽電池での発電で発電コストを下げたとしても、太陽電池を作るためのエネルギーコストを考えて、太陽電池の寿命との関係で全体としてエネルギーコストが下がるのかどうかを実際には検討する必要があるかもしれない。さらに寿命の来た太陽電池を廃棄するためのエネルギーコストも重要になってくる。これは、原子力発電にも、風力発電にも当てはまることではある。

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