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2011年11月30日 (水)

自由落下と空気抵抗:付録(数学です)

このブログでは、数学は使わないつもりでしたが、一つ前の記事の結果の詳細を書いてみましょう。

 

自由落下の方程式は

 

質量をm、重力の加速度をg、速度をvとすると

 

mdv/dt = mg + kv2

 

kは空気抵抗係数。座標は地上から上に向かって正にとっています。

 

ここで、vを最終速度として、v2 = mg/kなので、上の式を書き換えて

 

dv/dt = g{ 1 (v/v)2}

 

この微分方程式を解くとv0として、

 

v = v{exp(2gt/v) 1}/{exp(2gt/v) 1} = vtanh(gt/v)

 

tanh(gt/v)は時間t → ∞で1になります。

 

縦軸にz軸をとると

 

v = dz/dt なので、落下の始点を原点とすると

 

落下距離は

 

z = (v2/g)ln{cosh(gt/v)}

 

になります。距離は地上に向かって負の値になります。

 

速度が最終速度に近づくと、zは時間に対してほぼ線形となるので

t→∞では

 

z = vt + (v2/g)ln2

 

この式をv で解くと落下時間に対する最終速度が求まります。

すなわち

 

v = [gt {(gt)2 + 4gzln2}1/2]/(2ln2)

 

となります。ただし、ここでzは負であることに注意します。

 

上の式で、落下時間と負の値の落下距離を入れて計算すれば最終速度が求まります。

 

横風の影響

 

自由落下で横からの風の影響を考えて見ます。

 

風速をv0とします。方程式は

 

mdv/dt = k ( vv0 )2 但しv < v0

 

ここで

 

α= k / m

 

とすると、

 

dv/dt = α( v v0 )2

 

これを解いて、初速を0 m/sとすると

 

v = αv02t / ( 1 + αv0t )

 

横風によってずれる距離x

 

v = dx/dtなので、これを解いて

 

x = v0t – (1/α)ln( 1 + αv0t )

 

になります。

ここで分かるように、横風の影響は、係数α=k/mによっています。

したがって、空気抵抗係数が大きいか、質量が小さい、あるいはその両方の場合αが大きくなり、風の影響を大きく受けることになります。

風船などは、その典型で、空気抵抗が大きく、質量が小さいために、すぐに風速と同じ速度になります。

すなわち、風船は風の方向に沿って運動します。

風船が沢山並んでいれば、風の道が見えるわけです。

http://www.danube4seasons.com/search/essay/00_d4s_2011-09_1.html

 

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コメント

ぶつぶつ物理の先生、

息子の物理の問題に頭を悩ませている父です。
先生の「自由落下と空気抵抗」のブログを読みましたが、学校を卒業して長年が経ち、なかなか理解が出来ず困っております。

すみませんが、自由落下と風の影響について次の条件下での問題の計算方法と答え(距離)を教えてください。
よろしくお願い致します。
----------------
問題:R地点よりZを自由落下させた場合の空気抵抗と風の影響による落下距離を答えよ。

R地点の高さ: 35m
R地点の風速: 3.0m/s~5.0m/s
落下物(Z)質量: 50kg
落下物(Z)形状: 20cm x 30cm x 150cm
求めるもの: 落下物の風の影響による落下地点の移動距離の最少値と最大値

--------------
物理が苦手な息子の父JEYより

JEYさま

遅くなりましたが、以下のようになります。

ブログの式から、落下速度をブログでは落下方向に負に取っていましたが、
正にとって、
v=v∞ tanh(gt/v∞)
とします。
これで落下距離zは
z=(v∞^2/g)ln{cosh(gt/v∞)}
これを時間tで解くと
t=(v∞/g)acosh{exp(gz/v∞^2)}
ここでz=35 mを代入すると時間tが求まります。
この時、最終速度を出すために場合分けをします。
落下方向の断面積が
0.2*0.3=0.06m^2
0.2*1.5=0.3m^2
0.3*1.5=0.45m^2
の三通りです。実際に計算すると落下時間はほとんど2.7秒前後です。
正確には、上から、2.68秒、2.73秒、2.76秒です。
この値を、横風でずれる距離
x=v0t - (1/a)ln(1+av0t)
に代入すればずれの距離が出てきます。
ここで、v0は風速、aは空気の密度と断面積をかけて0.5倍したものを質量50kgで割った量です。
実際には0.5倍はほとんど関係がありません。この値を1にしてもあまり変わりません。
結果は最大にずれる場合は風速5m/sで落下方向の断面積が0.3m^2、風の方向の断面積が0.45m^2の場合で値は48cm
最少は風速3m/sで、落下方向の断面積が0.3m^2、風の方向の断面積が0.06m^2の場合で、値は2.4cmになります。
どちらもこの物体が角材だとすると長辺が横に向いた状態で落下するときに風に向いた断面積で効いてくるということになります。
以上ですが、答えになっていますでしょうか。

一宮彪彦

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