« 電気とガスどちらがお得?灯油は?プロパンガスは? | トップページ | 洗濯物と濡れと表面張力 »

2010年7月 7日 (水)

エンタルピー????

前の記事で、燃焼エンタルピーという聞きなれない名前が出てきました。

 

エンタルピーとはいったいなんのか?

 

実際には燃焼などエンタルピーの変化が観測されるので、その変化について考えて見ましょう。

 

エンタルピーの変化は物質の持つ内部エネルギーの変化とその時(その変化に伴って)外にする仕事量の和になっています。

 

内部エネルギーは、物質の中の原子の運動エネルギーと位置エネルギー(原子間の力によるエネルギー)の和になっています。

 

気体の場合は、位置エネルギーは分子内の原子間の結合エネルギーが主になっています。

 

外へする仕事は、化学反応や燃焼、あるいは融解や蒸発などの状態の変化によって、物体が膨張などで、外へ対してする仕事、すなわち膨張などによる体積の変化とその時の大気の圧力の積で表すことが出来ます。

 

燃焼は、物体と酸素との化学反応による場合が多いので、メタンガスの燃焼を例に考えて見ましょう。

 

メタンガスの燃焼は、1個のメタン分子、CH4、と2個の酸素分子、2O2、の反応です。

この反応で、まずは外からエネルギーを与えて、CH41個の炭素原子と4個の水素原子をバラバラにします。また、2個の酸素分子も4個の酸素原子にバラバラにしてしまいます。

 

この過程はエネルギーを与えなければなりません。(後で述べるようにこれが着火になります)

 

ばらばらになった原子は、1個の炭酸ガス分子、CO2、と2個の水分子、2H2O、に組みかえられます。

 

原子から分子に組み替えられる時、全体のエネルギーは低い状態になります。

 

1個のメタン分子と2個の酸素分子の状態よりも、1個の炭酸ガス分子と2個の水分子の状態のほうがエネルギー的に低い状態(結合エネルギーの大きい状態)の場合、この反応が進んで、あまったエネルギーが放出されます。

 

このとき、一部のエネルギーは気体の膨張に使われるので、その差し引き分、すなわちエンタルピーの変化分が発熱量になります。

 

結合状態の変化によるエネルギーの変化は高いところ(結合の弱い状態)から低いエネルギー状態(結合の強い状態)に変化するので、内部エネルギーが大きい(すなわち結合エネルギーが小さい)状態から小さい(結合エネルギーが大きい)状態への変化の差になって、内部エネルギーの変化は負になります。

 

一方、膨張によって外にする仕事は、正の変化なので、この差し引きが負であれば、発熱が起きます。

 

エンタルピーの変化が負ということは、エネルギーが余った状態なので、外にあまったエネルギーを放出しますので、発熱するのです。

 

もし、1個の炭酸ガス分子と2個の水分子の状態が、1個のメタン分子と2個の酸素分子の状態よりもエネルギーが高い場合は、この状態には行かないか、行ってもすぐにまたもとの状態に戻ってしまうために、反応は起きないのです。

したがって、通常反応が起きる場合は、反応によってエネルギーが余り、発熱する反応になります。

 

この反応を起こさせるには、最初に分子をバラバラの原子にする必要があります。

これには、外からエネルギーを供給する必要があるのです。

それが、着火によって行われるのです。

一度燃焼が始まれば、その熱によって、反応は進み、連続的に燃焼が続くことになります。

 

気体や液体の燃焼は、ほとんどの場合、酸化反応です。

これらの反応は、非常に急激に進むために、燃焼や爆発を起こすわけです。

 

固体の酸化反応は、特別な場合を除いて、ゆっくり進みます。

 

ホカロンなどは、鉄の酸化における発熱を利用したものです。

人間が発熱体なのも、体の中の化学反応(代謝)でゆっくり発熱が起きているためなのです。

 

しかし、金属粉末の場合、時として、急激な酸化がおきることがあります。

アルミニウム粉末は、通常は、表面が酸化膜で覆われているので、安全ですが、

何かの拍子に酸化膜がなくなると、急激に酸化が進んで爆発を起こします。

いわゆる粉塵爆発です。

 

金属の酸化の場合は、金属表面に吸着した酸素分子が表面でバラバラに解離して原子状態になり、

酸化が進むので、外からエネルギーを与える必要はないわけです。

固体の場合は、ほとんどの場合、酸化は表面で起きるために、表面積が少なければ、酸化はゆっくり進み、発熱も緩やかです。

また、外からエネルギーの供給をしなくても酸化が進みます。

粉末になると、体積に比べて表面積が大きく、酸化が進みやすいので、ちょっとしたことで、爆発的に進むために、粉塵爆発が起きるのです。

 

エンタルピーには、融解エンタルピーや蒸発エンタルピーもあります。

融解や蒸発に伴うエンタルピーの変化です。

これらは、いわゆる融解熱や蒸発熱(気化熱)といわれているものです。

 

これらの過程では、エネルギーを吸収するので、冷蔵庫や冷房に使うことが出来るのです。

2009715日の記事:エアコンの原理:冷房(あるいは冷蔵庫の原理)を参照)

 

 

« 電気とガスどちらがお得?灯油は?プロパンガスは? | トップページ | 洗濯物と濡れと表面張力 »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

住まい・インテリア」カテゴリの記事

生活」カテゴリの記事

科学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/534741/48821074

この記事へのトラックバック一覧です: エンタルピー????:

« 電気とガスどちらがお得?灯油は?プロパンガスは? | トップページ | 洗濯物と濡れと表面張力 »

最近の記事と写真

フォト
無料ブログはココログ