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2010年5月19日 (水)

原子を見る:走査トンネル顕微鏡

Si111stm_3 Si111_3

上の写真は、シリコン(珪素)の表面の走査トンネル顕微鏡(STMとも言います)の像です。


ピンポン玉みたいに見えるのがシリコンの原子一つ一つです。


この写真では、原子は丸く見えています。


この表面を真上から見たのが左の写真です。


じゅうたんの模様のように綺麗です。

 なぜ、走査トンネル顕微鏡で、原子が見えるのか?

 

それには、走査トンネル顕微鏡、すなわちSTMの原理から話さなければなりません。

 

STMでは、非常に鋭く尖らせた金属の針を結晶の表面に1ナノメートル(1億分の1メートル)まで近づけて、結晶と針の間に1ボルト程度の電圧をかけます。


1ナノメートルは原子の大きさの約5倍程度の長さなので、針と結晶の間には非常に強い電界が出来ることになります。


その強さは、1メートル離した針と金属の板の間に1億ボルトの電圧をかけたのと同じ強さです。


これだけ強い電界がかかると針と結晶の間には電流が流れます。

しかし針と結晶は接触していないので、電流は針と結晶の原子との間の非常に狭い経路を通って流れます。


実は、接触していない結晶と針の間には電子の流れ(電流)に対して山(ポテンシャルの山)が存在し、少しぐらいの電圧では電流は流れないのですが、ある程度以上の電圧をかけると、山の中を通って電流が流れ始めます。


これはまるで、山に掘られたトンネルの中を通過して電流が流れるように見えるので、トンネル電流といいます。


トンネル電流の強さは、原子と針との間の距離が小さいと大きくなり、距離が大きくなると急激に電流が小さくなるので、原子と原子の間に針が来ると電流が弱くなり、原子の真上では電流が強くなるので、針を走査すると電流のコントラストで、原子の像が見えるのです。

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