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2010年5月21日 (金)

原子とは何か?原子の概念

原子の概念は紀元前500年頃のレウキッポスとデモクリストスによる原子説に始まります。

この時代に物質の最小単位があると考えたことは驚くべきことです。

物質をそれ以上分割できない最小単位で構成するという考え方は、宇宙が有限であるとか、エネルギーが連続ではなくて、最小単位があるという考え方と同様に、かなり革新的な概念です。

この概念はその後のアリストテレス一派による連続説の前に消えてしまいます。

連続説のほうが、素人にはわかりやすい説でもあります。

(素人に分かりやすい概念は、間違った概念につながることが往々にしてあります。)

 

レウキッポス等の考えた原子の概念は、固有の性質は無く、それらが集まって物質固有の性質を作ると考えた。したがって、現在の原子とは異なるもので、むしろ現在の素粒子の概念に近いものです。

 

19世紀に原子が集まって、分子を作り、分子に物質固有の性質があるとして、その構成要素を原子としたのは、その時代としては仕方がないとしても、今となってみると、レウキッポス等の考えた原子とは異なるものになっています。

 

現代の原子については1801年にドルトンが分圧の法則を発表し、さらに1803年、倍数比例の法則から原子の概念を発表したことから始まります。

 

ドルトンの分圧の法則とは一定温度、一定圧力の条件で数種類の気体(実際にはお互いに化学反応を起こさない気体)を混合して、一つの混合気体を作ると、その混合気体の占める体積は、混合前に各々の気体が占めていた体積の和に等しく、混合気体の全圧力は各気体の分圧の和に等しいというものです。

 

例えば、1気圧20℃で1リットルの酸素ガスを4リットルの真空容器に注入すると、その容器の中の酸素ガスの圧力は4分の1気圧(0.25気圧)になります。

また、1気圧20℃で2リットルの窒素ガスを4リットルの真空容器に注入すると、その容器中の窒素ガスの圧力は4分の2気圧(0.5気圧)になります。

また、1気圧20℃で、1リットルの炭酸ガスを4リットルの真空容器に注入すると、炭酸ガスの圧力は0.25気圧になります。

そこで、温度を20℃に保ったまま、まず、1気圧で1リットルの酸素ガスを4リットルの真空容器に注入し、次に、1気圧で2リットルの窒素ガスをその容器に加えて、さらに1気圧で1リットルの炭酸ガスをその容器に加えると、4リットルの容器の内部の気体は1気圧の混合ガスになります。

このとき、分圧はそれぞれのガスを個別に真空容器に入れたときの圧力になります。すなわち酸素ガスの分圧0.25気圧と窒素ガスの分圧0.5気圧、炭酸ガスの分圧0.25気圧を加え合わせると丁度1気圧になります。

 

倍数比例の法則とは、2種類の元素が化合して2種類以上の化合物を作る場合があり、そのときの一方の元素の量を一定とした場合、他方の元素の質量の比は簡単な整数の比になるというものです。

例えば、一酸化炭素COと炭酸ガスCO2を比べてみると、炭素が一定量に対して、酸素は炭酸ガスでは一酸化炭素の2倍になっているということです。これから原子の概念が出てきたといわれています。

 

さらに、1811年にはアボガドロが等しい温度と圧力の下では同じ体積の気体は同数の分子を含むというアボガドロの法則を発表し、ここで分子と原子を分けました。

 

1869年にはメンデレーフが原子の化学的性質が原子量の順に周期的に現れることを示し、原子にも性質があることがわかりました。

 

すなわち、原子は、さらに小さい粒子からなっていることを示唆していたわけです。

 

したがって、現代の原子の概念とレウキッポスの原子の概念は実際には全く違うのです。

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