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2009年8月 1日 (土)

エントロピー

 前項で述べた熱力学第2法則は当たり前のことだが、法則とは当たり前のことを文章にして、それをもとにして、実は当たり前ではないことを導き出すものなのである。

 

熱力学第2法則にエントロピーという概念をいれると、この法則はエントロピー増大の法則と書き換えられる。

 

エントロピーとはでたらめさ、あるいは乱雑さの指標である。

原子が規則正しく並んでいれば、エントロピーの小さい状態であり、

原子が乱雑になった状態はエントロピーの大きい状態である。

 

たとえば、男女が別々に分かれている状態や、男女がペアでいる状態はエントロピーが小さい状態に対して、男女が入り混じって、ペアの状態も解消されている場合はエントロピーが大きい状態になっている。

 

あるいは、部屋がきちんと片付いた状態はエントロピーの小さい状態であり、散らかってくるとエントロピーは増大する。片付けるにはエネルギーが必要なので、エントロピーを減少させるには外からの仕事が必要になる。

 

結局エントロピーが大きい状態は、エネルギーが低い(すなわち安定な)状態なのである。

だから、エントロピーの小さい状態から大きい状態には容易に変化する。

しかし、再びエントロピーの小さい、秩序のある状態に戻すのにはエネルギーを必要とする。

エネルギーの高い状態から低い状態に移るのは容易だが、低い状態から高い状態に移るにはエネルギーが必要なので、容易には高い状態には戻らないのである。

 

片付けられた部屋は容易に散らかるが、それを元に戻すのは大変。

 

結晶は原子が規則正しく並んでいる物質である。

この結晶に熱を加えてゆくと温度が上がり、原子がだんだん激しく振動する。

更に加熱すると、原子の配列は乱雑になり、融解する。

この過程もエントロピーの増大の過程であり、融解した液体を元の結晶に戻すには、かなりのエネルギーが必要となる。

 

エントロピーは数学的には「順列組み合わせ」での「場合の数」

の対数で表されるので、物理学だけでなく経済学や環境学、社会学でも利用することが出来る。

 

熱力学第2法則は物理学だけではなく、社会一般の法則としても成り立つのである。

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