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2009年7月30日 (木)

熱機関:蒸気機関&内燃機関

エアコンのヒートポンプは温度の低いところから高いところへ熱を移動させることによって、冷暖房を実現した。

 

温度の低いところから高いところへの熱の移動には、外からエネルギーを供給しなくてはならない。

 

では、温度の高いところから低いところへ熱が移動するときにはどうなのか?

 

そのときは、外へエネルギーを放出するはずである。

 

放出されるエネルギーを動力に使えば、熱機関になる。

 

これは、水を低いところから高いところへ持ち上げるのに、水車を使うとする。

すなわち、水車を動力を使って回せば低いところの水を高いところに移動させることが出来る。

 

では、高いところの水を水車に流し込んむと、水の重みで水車は回転して、水を低いところに移動させる。これは古来から知られている水車の動力である。

 

この水を熱に替えたのが熱機関である。

 

熱機関の効率は、加えられた熱に対して、どれだけ外にエネルギーを放出するか、によっている。

すなわち、熱機関の効率は外の放出するエネルギーを加えられた熱で割った量である。

このエネルギーのことを物理では『仕事』と呼んでいる。

 

加えられる熱は、温度の高いところから供給される熱である。

外部への仕事(すなわち外部へ放出されるエネルギー)は温度の高いところから供給される熱エネルギー(簡単のため供給エネルギーとする)と、温度が低いところへ放出される熱エネルギー(簡単のため放出エネルギーとする)の差による。

 

以上を使って、熱機関の効率を式で書くと

 

熱機関の効率=仕事÷供給エネルギー

=(供給エネルギー 放出エネルギー)÷供給エネルギー

 

「エアコンはエコ」の項で述べたように、供給エネルギーは高温部の温度に比例し、放出エネルギーは低温部の温度に比例するとしても、近似としては成り立つので、上の式は

 

熱機関の効率=(高温部の温度 低温部の温度)÷高温部の温度

 

となる。

 

蒸気機関では、高温部の温度はせいぜい100℃、低温部は室温すなわち30℃程度なので、これらを絶対温度であらわすと、

 

効率=(373303)÷3730.19

 

である。蒸気機関の効率は20%以下と非常に悪いことが分かる。

 

一方、ガソリンエンジンなどの内燃機関ではガソリンが燃焼する温度が高温部の温度であり、エンジンから排出されるときの温度が低温部の温度なので、温度差は1000K程度になる可能性がある。高温部の温度が1500Kとすると、効率は約70%とかなり良くなる

 

実際には、外に漏れる無駄な熱や摩擦などで、効率はもっと悪くなる。


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島根大学の客員教授である久保田邦親博士らが境界潤滑の原理をついに解明。名称はCCSCモデル「通称、ナノダイヤモンド理論」は開発合金Xの高面圧摺動特性を説明できるだけでなく、その他の境界潤滑現象にかかわる広い説明が可能で、更なる機械の高性能化に展望が開かれたとする識者もある。幅広い分野に応用でき今後潤滑油の開発指針となってゆくことも期待されている。

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