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2009年7月15日 (水)

エアコンの原理:冷房 (あるいは冷蔵庫の原理)

 エアコンでは、前に述べたように、ヒートポンプを使っている。

 

ではどのようにして、熱を吸い上げるのか?

 

「冷やす」の項で述べたように、『冷やす』とは、物体から熱を奪うことである。

体を冷水でぬらすと涼しい。体の温度より水の温度が低いので、体から水に熱が移動して、体の熱を奪うのである。

 

さらに、体についた水が、体温と同じになると、水は蒸発を始める。

このとき、蒸発熱(気化熱)を体から奪うので、涼しく感じる。

濡れた体や、濡れた衣服を身に着けていると、夏ならば涼しいが、長く身に着けていると体から熱が奪われて体温が下がり、風邪を引いたり、更には命に関わることになる。

 

冷房や冷蔵庫では、この気化熱を利用している。

 

ヘアースプレーなどを、長く使っていると、スプレーの缶が冷たくなることがある。

これは、缶の中の気体が勢い良く外に噴射されたことで、内部の圧力が急激に下がり、内部の液体の気化(蒸発)を促進させる必要がある。

そのために熱が必要になるが、熱の供給が間に合わずに冷たくなるのである。

 

エアコンの冷房機や冷蔵庫ではこの原理を使っている。

 

エアコンや冷蔵庫の熱交換器には冷媒と呼ばれる気化(蒸発)しやすい液体が入っている。

この液体の入っている熱交換器の容器を急激にポンプで排気すると、容器内の圧力が下がり液体は強制的に気化(蒸発)させられる。そのときに気化熱が必要となり、熱交換器を通して外から気化熱を奪う。それによって、外気の温度が下がるのである。

 

液体の入った容器の中の圧力を下げると、なぜ強制的に気化するのか?

 

液体や固体の表面からはその物体を構成する分子や原子が常に出入りしている。

出てゆく原子・分子(面倒なので一括りにして粒子と呼ぶ)の数と入ってくる粒子の数が等しければ、何も起こらない。

物理では、これを平衡状態と呼ぶ。

 

物体の温度を上げると、物体の表面から粒子が飛び出す。密閉された容器の中では、飛び出した粒子の数が増えれば、表面に入ってくる粒子の数が増えるので、それらが等しくなるまで(すなわち平衡状態になるまで)表面から粒子が飛び出す。

 

そこで、容器の中の気体粒子をポンプで排気すると、気体粒子の数が減って、表面に入ってくる粒子の数が減る。

すると、平衡状態に近づけるために、表面から粒子がどんどん飛び出す。

しかし、そのためには、気化熱が必要となり、外からの熱の供給が少ないと、表面からの粒子の放出を抑えるために温度が下がるのである。

 

物質の安定な状態は平衡状態なので、平衡状態からずれると、平衡状態に戻すように温度や圧力を変化させて、安定になるように物質が変化するのである。

 

エアコンや冷蔵庫の冷媒には、以前は低温で気化しやすいフレオンが使われていたが、オゾンホールの原因物質のため、現在では、気化しやすい他の物質に変わっている。

 

なぜ気化熱が必要なのか?

液体や固体中の分子は、お互いに強い引力で引き合っている。

「気化する」とは、この引力を振り切って、自由に動き回れる気体分子になることである。

引力を振り切るには、引力に対抗できるための力を加えなければならない。

その力は、エネルギーとして供給される。

このエネルギーが気化熱であり、気化熱を供給することによって、固体や液体中の分子は自由になれる。

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