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2009年6月19日 (金)

冷やす

そろそろ夏。そこで、冷やすということについて考えてみる。

 

物を冷やすということは、その物から熱を奪うことである。

 

熱を奪うためには、熱の移動が必要!

熱は、温度の高いところから低いところに移動しやすいので、冷やす対象のものから、それよりも温度の低い物や場所に熱を移動させるのが普通である。

 

昔の冷蔵庫は、上の棚に氷が入っていて、氷の周りの空気を冷やし、冷やされた空気は対流によって下の棚に移動する。

外から冷蔵庫に入れられた物の熱は冷やされた空気に移動し、空気が暖められる。

暖められた空気は対流によって氷の棚まで上昇し、氷によって、再び冷やされる。

 

氷が空気を冷やすのは、氷が空気から熱を奪って、氷がその分、融けるためで、その熱が融解熱である。

 

これが昔の冷蔵庫の原理であり、冷蔵庫の壁は断熱材で覆われているので、暖かい外から冷蔵庫内へ流入する熱と、氷の融解熱によって空気から奪う熱とがバランスする温度に保たれるのである。

 

 

冷やす方法には、水の蒸発熱を使う方法もある。

 

手を水でぬらすと、涼しく感じる。

手についた水滴が蒸発するときに蒸発熱を奪うからである。

湿った服を着たときに感じる、寒い感じも、衣服の水分が蒸発するときに奪う熱のためである。

 

蒸発しやすいアルコールなどが手につくと冷たく感じるのも、アルコールが蒸発するときの蒸発熱が手から奪われるためである。

 

この原理を上手く使ったのが、素焼きの壺である。

素焼きの壺に入れられた水が、素焼きの壁から壺の外側に染み出し、蒸発する。

水に濡れた手が冷たく感じるのと同じ原理で、壺の中の水は熱を奪われて冷えるのである。

 

水の蒸発の速度は周りの空気の湿度によって変わる。

 

空気中に水蒸気が多く含まれるとき、すなわち湿度が高いときは、湿度が低いときよりも蒸発の速度は遅くなる。

だから、後で示すように湿度が高いと、体から水が蒸発しにくくなって、蒸し暑く感じるのである。

 

水の蒸発の速度というのは、実は、水から飛び出す水分子と水に飛び込む水分子の数の差によって決まる。

飛び出す水分子と飛び込む水分子の数が等しくなると、水は蒸発しなくなる。

 

(このときの水の蒸気圧を飽和蒸気圧という。水に限らず、物体の表面からは、その物体の飽和蒸気圧になるまで、常にその物体を構成する分子が飛び出している。)

風があると涼しいのは、蒸発した水分子(あるいは気体分子)を風で吹き飛ばして、常に、皮膚の周りには水分子が居ないようにする事で、蒸発しやすい環境を作っているためである。

 

人間が涼しいと感じるのは、体の表面に出てきている汗が蒸発するためである。

だから、湿度が低いときは、汗がどんどん蒸発するので、涼しい、あるいは寒いと感じる。

一方、湿度が高いときは、体の表面からの蒸発が押さえられるので、暑く感じる。

 

夏、湿度が高い時に蒸し暑く感じるのはこのためである。

 

夏は、部屋の除湿をして湿度を下げ、冬は加湿をして、部屋の湿度を上げると快適!

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コメント

はじめましたこんにちわ。
とても分かりやすい説明で勉強になりました。

ひとつ質問ですが、
(この質問が頓珍漢な可能性がありますが)
熱エネルギーとは、分子の振動によるもの
そして、エネルギーが高い方から低い方へ移動することで物体の持つエネルギーが移動し、物体が冷える

熱エネルギーが分子の振動であるならば、振動を抑えればよい
理屈的に、騒音を消すには逆の音の振動数をあてて相殺させる方法があると聞きました。
それと同じ原理で、熱の振動数を逆の振動数を当てて相殺させ、冷やす原理というはあるのでしょうか?

コメントありがとうございます。
反位相にして冷やす方法、原理的には可能かもしれませんが、波長が短いことと、光速に対応した制御が必要なことから、かなり難しそうです。
ただ、レーザー冷却のように光圧で分子の運動を止めることで冷却する方法はありますが、非常に圧力の低い空間で可能です。

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