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2009年4月10日 (金)

浮くということ:熱気球

熱気球は、バーナーで熱した空気を気球の中に送り込んで、気球の中と外の空気の密度の差を利用して、浮き上がらせている。

 

空気を熱すると、空気は膨張するので、体積当たりの重量(質量)が小さくなる。

すなわち、密度が下がる。どれだけ密度が下がるかというと、気体の密度は絶対温度に反比例するので、室温(絶対温度で、約300K)よりも100K100℃でもよい)上昇すると密度は室温の4分の3になる。(すなわち300÷400

(絶対温度とは、摂氏温度+273.15であり、単位はK(ケルビン))

 

これは、気体の圧力と体積と温度の関係、ボイル・シャルルの法則によっている。

気体の体積は圧力が一定ならば、絶対温度に比例して増大し、気体の圧力は体積が一定ならば絶対温度に比例して増大するという法則である。

式で書くと

 

圧力×体積=気体定数×絶対温度

 

である。これは、理想気体に対する法則ではあるが、通常の気体に対してもよほど特殊な場合以外は成り立つ。

1モル(mol)の気体(気体中の分子の数がアヴォガドロ数、6×1023)に対する気体定数の値は

8.317J(ジュール)/Kmol=1.986cal/Kmol

である。ほとんど2cal/Kmolである。

 

熱気球に人間三人が乗って、総重量が200kgと仮定すると気球部分の体積をどの程度にしなければいけないかを計算してみる。

気球の中の空気は400K(ケルビン)(約127℃)に熱せられているとすると、熱せられた気球内の空気の密度は外の密度の4分の3なので、気球中の空気の重量は熱する前の重量の4分の3

この重量に気球の総重量(これは気球が膨らむ前の総重量)200kgを加えた重量が押しのけた空気の重量よりも小さければ、気球は浮き上がる。

室温の空気の重量は22.4リットルで約30gである。

200kgを持ち上げるには、押しのけた空気の重量と気球の中の空気の重量との差、すなわち押しのけた空気の4分の1の重量が200kgより多ければ良い。

200kg30gすなわち22.4リットルの約6700倍なので、気球の体積は22.4リットル×6700×4でなければならない。(4分の1の空気で持ち上げるので4倍しないといけない)

この値は600320リットル。1リットルは1000分の1立方メートルなので、気球の体積は600立方メートルであれば良い。気球が球であればこの値をπ=3.14で割って、さらに4分の3をかけてから、3乗根を取れば良い、計算すると球の半径は約5.23mになる。

 

直径10 m程度の気球ということになり、このかなり乱暴な計算でも実際に近い値となる。

熱気球の中の温度がどの程度なのか分らないが、100℃よりも高くなるのであれば、気球の直径は小さく出来る。

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